アトピー専用温泉湯治施設 九州HRC ほすめ通信 vol.1今月の湯治人 |
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洋平さんがアトピーを発症されたのは、生後間もなくで、高校3年生になって、急激に悪化、大学進学も果たしましたが、症状の悪化で自主退学するまでに、追い詰められたようです。症状の悪化とともに、自室にこもりっきりの生活が続き、母親がたまたま手にした情報誌、「あとぴナビ」で湯治療法を知り、母親に当施設へ行って、湯治を行うように何度も勧められたとのこと。ですが、洋平さんにとっては、九州というと日本の南端に位置するところで、距離的な面と金銭面の事もあり、湯治することを決断するには、少し時間がかかったようです。そうこうしているうちに症状は自身の思いとは裏腹に、どんどん悪化する。これではいけないと思い、一念発起して九州行きを決断。決断して、3日後には当施設へ来ていたとのことです。
>>アトピー性皮膚炎温泉湯治専門施設 九州ホスメックリカバリーセンター
- こんなに良くなったのは、何年ぶりかと思うくらい。
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原田 洋平さん(北海道伊達市)
「そうですね。温泉に入ってみると、良く温まるし、ヌルヌルしていて、泉質の良さを感じましたね」
ご自宅での入浴と、当施設での入浴との違い はありますか?
「自宅では、井戸水をホースで浴槽まで引いて入浴していました。かなり面倒な面もありましたけど、こちらでは、いつでも好きな時に入れるし、お湯も柔らかい感じがするし気持ち的にも入らなきゃと思い、やる気もでますね」
状態と生活面はどのように変化しましたか?
「体調は良くなりましたね。当初、7日間位は、症状が出ていましたが、7日過ぎ位から、症状が引き始めました。自宅にいる時は、運動の習慣が全くなくて、ウォーキング等もしていませんでしたが、ここにきて、生れて、はじめて、ウォーキングをしました。ですから、ハードなトレーニングではなく、有酸素運動って言うんでしょうか、湯治だけではなく、生活習慣を変える事も含めて、体を動かす事が大事なん だということがわかりましたね」
具体的にどのように、症状が変化しましたか?
「こんなに良くなったのは、何年ぶりかと思うくらい。痒みも大分減りましたね。自宅にいる時は、寝る前とか、起床後、強い痒みがありましたけど、最近は、それもなくなってきましたし、掻いても傷にならなくなってきたし、傷も減ってきましたね。動くのが、苦痛な時期もありましたが、今は、動いてもなんでもないんですよ 」
- 外にでることが、苦痛じゃなくなりました。
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「外にでることが、苦痛じゃなくなりました。外に出たくなりましたね。自宅にいる時は、体調が悪い事もあり、外出する気持ちにもならなかったですけど、ここへきて温泉に入ることで、状態が良くなっていくにつれ、何処かへいきたい、外を散歩したいなあ、という気持ちになってきました。自分の中では、運動がしたいと思えるようになったのが、大きな変化ですかね。運動嫌いだったもので・・・」
こちらに来て、安心感みたいなものもあったんでしょうか?
「そうですね。この施設には、自分と同じような境遇の方々も多いですし、施設周辺に住んでいる方たちも、理解があるように思えるんで、周りの目を気にしなくても外を歩けるという事もありますので、生活する環境としては、いいと思いますね」
当施設を利用して、何か得たものってありま すか?
「得たものですか・・・(笑)。そうですねえ、生活習慣というか、一日のサイクルが正されましたね。湯治に関しても、今までは、自己流になっていた面があったのですが、ここへきて、湯治方法も指導してもらえるので、きちんと入れるようになりました」
当施設を利用している方との交流みたいなも のはありましたか?
「ええ、ありますね。ギターをやっていることもあって、趣味等があえば、すぐに仲良くなったりしますね。結構、音楽好きな方が多いんで、 そういうこともあって周りとの繋がりはもてるようになりましたね」
最後に、当施設の利用を考えている方へ、原田 さんから何かメッセージをお願いいたします。
「やっぱり、私も含め、仕事もせずにここへきている方もいらっしゃると思うので、そういう、不安というものは、皆さんあると思うんですよ ね。みんな仕事しているのに、俺だけ何やってんだみたいな。皆、思っていると思うんですよ。でも、先のことを考えれば、無理して、仕事す るよりも、一度、休んででも、しっかり治して先のこと考えた方がいいのではと思いますね。ですから、まず、ここへきたら、何も考えず、ゆっくり湯治に専念すようにすればいいのではないかと思いますね」
わかりました。まず体を治す事が、なによりも 大切だということですね。 今日は、お話を伺わせて頂き、ありがとうござ いました。
いろいろとお話しをお伺いさせていただいた原田さんですが、ギターがとっても上手で、何曲か披露していただきました。もともと、ご自宅が音楽教室で、親の勧めもあり、ピアノを習っていたそうです。その後15歳頃からギターを始めるようになり、バンドを組んで、演奏していたとのこと。ただ、バンドメンバーの中に、ピアノを弾く人がいなくて、仕方なくピアノとか、キーボードを担当していたようですが、ギターの魅力が忘れられず、今では、ギターのみに集中するようになりました。ギターを習い始めて12〜13年とのことですが、指の動きが早くて、まるで指自体が生き物のように動く、動く。このように弾けるのも、毎日の練習の賜物なのでしょうね。
バイオリンで良く演奏されるチャールダッシュという曲があるそうですが、これを弾いてもらいました。すばらしいの一言です。ご本人曰く、 「ギターを弾いていると、癒されます。特に一人で好きな曲を弾いている時は自分で、自分が理屈じゃなく癒されますね。そういう意味では、音楽をやって良かったと思いますよ。」
いろいろお話をお伺いしましたが、音楽という共通の話題になると、時間が経つのも忘れいくらでも話せそうな気がしました。ある、アメリカの詩人が言ったそうです。「音楽は、人類に与えられた万国共通の言葉である。」そうですね。言葉が通じなくとも、音楽でなんとなく、通じあえるものですよね。原田さん、今後も更なる精進を重ね、是非、プロとしてデビューすることを、期待しています。頑張って下さいね。

インタビュー・文:玉城勝 |
