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プロアクティブ治療は、 アトピー性皮膚炎の治療として 必要なのか?


  • プロアクティブ治療は、 アトピー性皮膚炎の治療として 必要なのか?
  • プロアクティブ治療の前提条件は、ステロイド 剤の長期連用が「安全である」ということです。
    昔のアトピー性皮膚炎治療では、標準治療とし てステロイド剤の長期連用を行い、そこでステロ イド剤の長期連用による症状悪化に陥る患者が多 発したことで、ステロイド剤の影響を認めること になりました。もちろん、これはリアク ティブ治療における状況 だったのですが、リアクティ ブ治療として長期連用が 問題ある治療法が、プロ アクティブ治療では問題な い、とする根拠はどこにあ るのでしょうか?
    プロアクティブ治療では、ステロイド剤で 16 週 間、プロトピック軟膏で一年間の観察期間を経て 安全性を確認した、とありますが、薬剤の長期連 用による「マイナスの影響」は、各機能(免疫機能 や皮膚機能、自律神経機能など)への影響を考えた 場合、蓄積される影響とも言えます。ステロイド 剤での 16 週間の「安全」は、ステロイド剤の半年 での「安全」を必ずしも示しているものではあり ません。プロトピック軟膏の一年間の安全は二年 間の使用による安全に必ず繋がるわけではありま せん。
  • 実際、あとぴナビの読者の方でも、このプロア クティブ治療を行っている方がいます。 全例が悪化状況にある、ということではもちろ んありませんが、実際の現場においては、プロア クティブ治療が適切でない、と思われる事例が多 発していることも事実です。
    例えば、2週間程度のステロイド剤塗布で症状 が落ち着いた幼児にプロアクティブ治療を行い、 9カ月後に全身に症状が広がり、医師からは「ア トピーの悪化」と言われた例がありました。
    同時期に、似た経過で症状が落ち着いた幼児で プロアクティブ治療を勧められましたが実践せず、 スキンケアのみ行っていた事例では、アトピーが 再発することはありませんでした。
    もちろん、これは事例の偏りとも言えますか ら、いろいろな要因や要素を加味する必要はある でしょう。
    しかし、プロアクティブ治療の安全性を訴える ならば、少なくとも3年間以上の経過観察は必要 でしょうし、同時に、プラセボ(擬似薬)を使っ てステロイド剤ではない単なるスキンケアアイテ ムでプロアクティブ治療を実践した場合に、どれ だけの有効性の差が生じるのかを検証する必要も あるのではないでしょうか?
    少なくとも、あとぴナビでは、アトピー性皮膚 炎の発症原因、そして悪化原因に、皮膚機能の異 常状態が深く関与していると考えていますので、 プロアクティブ治療を実践した患者でその「効果」 を実感できている原因は、ステロイド剤やプロト ピック軟膏の免疫抑制効果だけにあるのではな く、基剤としてのスキンケアの働きも関係してい ると考えています。
    もっと踏み込んで言えば、アトピー性皮膚炎の 方へのスキンケアとして保険が適用される範疇で の処方を考えると、ワセリンを保湿剤として渡さ れることが多いのですが、ワセリンの場合、水分 を一切含まないため、角質層への水分の補給が十 分に行われていません。
    そのため、プロアクティブ治療を行いながら、 アトピー性皮膚炎が再発した患者は、ステロイド 剤などがIgEを増強させる要因となっただけで なく、角質層の水分保持が十分行えないことによ る痒みを知覚する神経線維の問題と、乾燥状態に よるバリア機能の低下の問題が、そこに関係して いるのではないかと考えています。
    実際、ステロイド剤を使っているアトピー性皮 膚炎の方が、保水のケアをしっかり行ってからステ ロイド剤を塗布した場合、比較的良好な経過をた どることが多い傾向が見られています。

  • 少し話がそれましたが、いずれにしても、プロ アクティブ治療は、アトピー性皮膚炎の「予防」 として行われる治療法として「最適な治療法」と は言えない現実があることを忘れてはならないで しょう。
    皮膚科医は、アトピー性皮膚炎の炎症を「火事」 に例えることが多いようです。 火事だからこそ、急いで消火する必要があるの でステロイド剤を使う、そして消火したと思って も種火が残っていれば、再燃する恐れがあるので プロアクティブ治療で再燃を抑えましょう、とい うことです。
    では、消火が十分にできたあとでも、消火作業 をいつまでも続けることは必要でしょうか?プロ アクティブ治療においては、消火が終わった部位 に消火剤をまき続けることのダメージをどう考え ていくのかが大切になるようです。
  • アトピー性皮膚炎の患者数がまだ多くなく、増 加傾向に至る前の1980〜1990年頃は、皮 膚科医はステロイド剤の安全性を強く主張してい ました。
    しかし、患者数の増加と共にステロイド剤を使 用する患者数が増え、マイナスの影響を受けた事 例が増加、いったんはガイドラインで専門医の指 導の元にステロイド剤を使用すれば副作用は生じ ない、としていた主張が、長期連用については症 状の経過を観察しながら慎重に行うように、と変 化しました。
    現在のプロアクティブ治療については、昔のア トピー治療と同じく、安全性を強調できるデータ を用いて、そのリスクに目を向けようとしていな い現状が見受けられます。今後、プロアクティブ 治療を行う患者が増え、昔と同じようにマイナス の影響が表面化してきてはじめて方向転換をする のでしょうか?
    ステロイド剤やプロトピック軟膏のアトピー性 皮膚炎に対するマイナスの影響は、薬剤そのもの が持つ「副作用」の影響が問題なのではありませ ん。
    アトピー性皮膚炎の悪化要因となる影響につい ては、薬物の短期使用で現れるものでもありませ ん。
    しかし、長期にわたる連用は、個々人ごとに異 なる影響を示すとは言え、その影響の中には確実 に、IgEの増強、細菌叢への影響が含まれてく ることがあり、そうした場合に、アトピー性皮膚炎は悪化します。
    この悪化状況を、元のアトピー性皮膚炎が悪化 した状況、とみなすのか、ステロイド剤などの影 響により新しく発症したアトピー性皮膚炎とみな すのか、これはその後のリアクティブ治療にも大 きく関わってくることになります。
    「プロアクティブ治療」が示す治療の方向性と、 「単なるスキンケア」が示す方向性に大差がなかっ た場合(プロアクティブ治療で示される有効性が、 実は免疫抑制作用による効果ではなく、基剤が 持つスキンケアの働きであることが考えられるた め)、薬が持つ副作用とケアアイテムが持つマイナ スの作用は、当然ながら雲泥の差があることから、 患者自身に現れる影響も全く異なるものとなりま す。
  • ぜひ、医療機関において、プロアクティブ治療 がスキンケアと異なる有効性を示すエビデンスを 明らかにして欲しいと思います。
    プロアクティブ治療は、決してリスクがない治 療法ではありません。なぜなら、薬剤の使用を行 う以上、その使用による効果を受けた場合には、 影響の差はあったとしても、マイナスの影響を受 けることになるからです。
    これからプロアクティブ治療を実践される方は、 現状、プロアクティブ治療における長期の安全性 は、有期で示されたものに過ぎないこと(ステロ イド剤で 16 週、プロトピック軟膏で1年間)、プロ アクティブ治療とスキンケア治療の有効性の差は 検証されていないことをもう一度考えてみるよう にしましょう。



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